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私が幼い頃、私の両親は私を寝かしつけるときに、いつも本を読んでくれました。父や母が疲れているときは、ビアトリクス・ポターのお話のような短めのお話をしてくれました。また、ある夜には、十分な時間をとって、アンデルセンのお話のような長めのお話をしてくれました。私は、このような古典的なおとぎ話をしてもらっている間は、大人しく聞いていて、お話が終わると「もう1回お話して」と催促したものだと母は今でも言います。私はアンデルセンの『野の白鳥』のお話を聞くたびに、いつも悲しくなって泣いていました。それなので、私の両親は、「もうこのお話を読むのをやめましょう。何か違うお話にしましょう」と言いました。しかし、それでも私は何度も何度も『野の白鳥』のお話をせがみ、その度に泣いていたのです。
私の宝物は、60年以上も前に両親が私に与えてくれた様々な美しい色で刺繍されたタペストリーにも似た世界中のおとぎ話への深い愛情なのです。 |
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