『みにくいあひるの子』『人魚姫』『はだかの王様』など日本でも長い間親しまれているデンマークの詩人・童話作家であるハンス・クリスチャン・アンデルセンは、2005年4月2日に生誕200年を迎えました。本国デンマークでは、各国からのアンデルセン親善大使や関係者を招き、女王陛下、皇太子ご夫妻なども出席し、生誕200年を祝う盛大な祝賀イベントが開催されました。また、各地でアンデルセン生誕200年を祝うたくさんの催しが行われました。
アンデルセン生誕200年アジア事務局は、日本を始めアジア各国でもたくさんの人に読み継がれてきたアンデルセンの業績を改めて見直し、再評価するためのさまざまな事業を推進することを目的として生まれた民間組織です。初めは日本から始まり、韓国、中国など東アジアを中心に積極的な活動を展開してきました。展覧会・出版・講演会・記念商品開発など様々なプロジェクトを通して、アジア地域の大勢の人たちにアンデルセン作品に改めて触れていただき、文化事業の発展を促進していきたいと考えます。
当事務局は1997年からの準備期間を経て、2000年4月より本格的な活動を開始し、記念プロジェクト第一弾として「夢の世界のおくりもの アンデルセン童話・絵本原画展」を開催しました。2000年8月から2001年11月まで、日本全国7ヶ所のミュージアムを巡回したこの展覧会は合計で10万人以上もの入場者を迎え、大盛況のうちに終了しました。
上記の展覧会は一部内容を変えて、2002年には台湾4ヵ所の美術館で巡回展覧し、さらに2003年春から10月にかけて、韓国4ヶ所の美術館を巡回しました(入場者総数約40万人)。中国では、生誕200年記念事業のメイン・イベントとして、中国各地を巡回しました。2004年12月の上海でのオープニングから2005年夏までに、合計5ヶ所の美術館で、多くの人々の歓迎を受けました。
記念プロジェクト第二弾の展覧会としては「国際アンデルセン賞の受賞者たち展」を開催しました。この展覧会も、2003年7月から2004年8月までに、日本と韓国で合計6ヶ所の美術館を巡回し、大成功に終わりました。
日本では2005年3月からアンデルセン生誕200年のメイン・イベント企画として、「アンデルセン生誕200年展」が全国10ヶ所で巡回されました。デンマークのアンデルセン美術館の所蔵品や、生誕200年を記念して出版された絵本の原画、記念ポスターの原画など、貴重な資料が展示され、大盛況のうちに終了いたしました。
わたしたちアンデルセン生誕200年アジア事務は、これからも「HCA2005」基金及び、日本・中国・韓国のデンマーク大使館や、スカンジナビア政府観光局等の協力を得て、今後もアジア地域において、さまざまな記念事業を推進する予定です。皆様に、この生誕200年プロジェクトを通して、童話の王様アンデルセンからの時代を超えたメッセージを受取っていただければこれ以上の喜びはありません。
H.C.アンデルセン生誕200年アジア事務局
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1805年4月2日、デンマークのオーデンセに、貧しい靴職人の子として生まれる。14歳で役者を志してコペンハーゲンに出る。30歳のとき、イタリア旅行の体験をつづった「即興詩人」を書き、作家として認められる。その後『おやゆびひめ』『人魚ひめ』『みにくいあひるの子』『はだかの王さま』など多くの童話を書き、70歳で亡くなるまでに150編あまりの童話を発表。「童話の王さま」として、世界中の人々に愛されている。
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